アイリッシュトラッドと現代的なバンドの融合は結果的に短命に終わったが、残した演奏は鮮烈そのもの。イーリアンパイプとサックス、そしてエレクトリックギターが絡む様は、これ以上ない興奮をもたらす。
昔の彼女とカフェでお茶していたときに流れてきたのがハンギングバイアモーメントだった。そのとき僕は昔々この曲を聴いたことがあるよなんて会話をしたのだが、後で分かったことだが、まだ出たての新譜でlifehouseのデビュー盤だった。それを彼女から教えられるという情けなさ。そんな思い出でも美しいことには変わりない。この曲のように。
日本のジャズロックピアノトリオ。レディオヘッドやYMOのカヴァーも素晴らしいが、僕が気に入ったのはRPGのフィールドやボス戦のBGMに使われそうな、オリジナル曲群。
長すぎる、だれる、いや傑作だ等々、賛否の分かれる本作ではあるが、僕はこれを4楽章の交響曲だと思えば全然いけるし、納得もできる。ガムランや、アフリカのドラム。呪術ようなコーラスワークなど民族音楽にも目を向けていて、それがまたクラシックを想起させる。プログレッシブの万国博覧会と呼びたい。
危機の次に聴いたのがこれだった。こじんまりとした中古レコード屋に置いてあった。ジャケットからはわからなかったが、二枚組で四曲しかない大作中の大作だった。大変なものを掘り当ててしまったと、興奮したのを覚えている。
ベースが凄く音を歪ませているのが、かっこいいなあと思っていた。ピアノトリオだから余計に耳についたのかもしれない。
窓を開けたら熱気がすさまじいことになっていたので、清涼感を求めて。
三曲目のリターントゥイノセンスが、よくあるヒーリングのコンピレーションに入っていた。今思い返せばヒーリング?リラクゼーション?ハッというスタンスのCDだった。そのスタンスはともかく、17、8歳頃でメタルをこじらせていた自分には、相当の衝撃と興奮と安寧があった。一言で言えば、こんな音楽があったのかという思いだった。